2020年02月28日

共通問題と選択問題を解いてみた 2020年 令和2年 埼玉県公立高校入試

あのね、共通問題では数学が易しくなった。↓↓易化した。

国語の問題文が東京新聞のサイト上で公開されている。県の方では許可申請中。伝統の超長文。普段から長い文章を丹念に読み解くことをしているかをみるのが埼玉の国語。長い文章を読んで内容を追跡する姿勢や技術は、要約の練習を気長に繰り返していかねば身につかない。日頃から長い文章の言わんとすることを追跡すること、さまざまの文章構成や、表現に触れていくことが要求されている。短い、結論先にありきのニュース文やsnsなどの日記文、要点ズバリの明快なつぶやきを読むだけでは読解力は十分に鍛えられない。この点は見逃すべきではない。

国語の作文は形式も安定したまま終わる気配はない。表現力は埼玉国語は見ますということだ。ネタ勝負の小論文ではないのだから、書き方の決まった型をきっちり身につけておけばよろしい。

理科の出題形式が変わっている。実験や観察の目的などを考察する形式になっている。難度が高いわけではいささかもないが文章量と資料が増える。資料を読解するのに集中した作業を要する。

このようなときは設問を先に読んでから問題文自体に戻って条件を確認するのがよい。資料の中でどこを集中的に読めばいいのかは設問を読んではじめて決まる。ほとんどの設問は読んだだけで答えが予想できるようなもので、その予想をもって、数値や図などを本文に戻って確認する形で読むとよいだろう。例年同様、理科の計算問題は少なく本年でも本格的な計算は大問2(天気)の問4くらいであった。

理科の大問2の問3「水滴や氷の粒が互いにぶつかって大きくなる」のように科学的な考察を普段の生活の中でしているのかというところを評価しようという明確な意図がある。理科は良問である。

その後、選択問題を解き終わったところである。

英語の漆。面白い文だ。用紙の節約なのか、またまた英語長文の問題文がジャスト1枚の仕様で、ヴォクの目には文字が小さい。総文字数を数えてみて驚いた。長文が実際に長い。長文化はよい傾向で、このまま続くとよい。英語大問3長文読解の問1の文整序。文脈を把握して6文の中から適切な文を選択して入れるという問題。このような内容把握の問題は新傾向。練られたよい問題になっている。選択肢の作り方次第では奇問になりやすいところだが、名問になっている。大問3の小問6の適語2語ずつ補充問題は画期的な良問。工夫を凝らして作成されている。

リスニング。はじめの1分弱の日本語での指示。設問以上の情報はない。1分は長い。この間にNo.7の9点分の設問のwhat what whereにしるしをつけると時間が節約できる。No.7では事柄、あげる物、到着する場所だけ聴けばいい。もし1回で聴き取れたら最後の2回目は聴かずに他の問題へ進んで良い。
その他の問題ではリスニングのためのリスニング英語なので情報量ばかりが多い。2回チャンスのある設問をメモすること、各種データwhat which who how where whenに関することを念のためにメモすること、メモをとる力を問うている。英文を読む速度は少しだけ速くなっているが滑舌がよく大変聴き取りやすい。リスニングは過去問で練習しておくのがよい。

埼玉英語伝統の英作文は良い問題になった。条件英作文はワンパターンで逃げられないのがいい。英作文の実力をきっちり評価できる。書き直しの効かないこの形式。たとえば、あっ、a を名詞の前に書き忘れていたと全部書いたあとに気付いても最後まで消さないと書き込めない。この苦しい原稿用紙形式。推敲不可のこの形式。字数はあとから自己申告でいいから白紙に好きな文字間隔で書きなさいというわけにいかないのだろう。採点者が文字数を数えるのは採点の手間を考えると難しい。
多めに書いて少なく文字カウント申告があった場合に採点が難しくなる。そこでこの解答用紙の方式(国語の原稿用紙と同じ形式)に落ち着いたというわけか。最後の一行だけマス目がなくフリーなのはとてもいい。
受験生としては下書き欄を使用し高速で下書きしておいて、解答用紙に丁寧に写すのがよい。英語は↑↑難化。そしてかなりいい問題になった。2000年以降の埼玉英語過去21年で一番いい問題に仕上がっている。

昨年一昨年の数学の得点が低いのは開示得点、本採点結果で知っていたがよほど低かったのか、これが埼玉数学、高校入試問題の選択問題とは・・・。これでは選択問題にしても数学がやさしい。↓↓易化。

数学力を磨き上げていた受験生は完答の上、時間を余らせたことだろう。大問4の(1)のような1秒で答えがわかる5点の問題を出題し続ける。さすがに驚かなくなってきたが、いったい全体数学の試験で何をしたいのだろう。大問4の関数には相似などの図形的性質を絡めるのが伝統だったがそこも崩し図形的要素はもはやほとんどなくなっている。易しい計算問題のオンパレード。あえて出題意図を言えば数式処理と計算の正確さを問うということになる。レベル判定すると発想1、計算量1、時間1、論理1とどの視点から見ても2000年以降見られなかったほどの易しい問題である。2002年の東大数学↓↓のときのような肩透かし。

この埼玉数学の易化が高校入試の総合得点に与える影響はかなり大きい。数学で満点の100点をとっても数学ではアドバンテージがない、差がつけられないということを意味する。数学勝負を決め込むのは通用しない。全国の高校入試の花形たる円図形をなぜ出題しないのか理解に苦しむ。かんたんにしたいからというほかない。ある程度とれるようにするという方針が先にありきで問題はその方針に沿って作ったわけだから、問題だけを見てとやかく言うつもりはない。むしろその教科間バランス方針に対して異議あり。

選択問題にしている意義が数学の今年の問題には見えない。過去問を研究する後の受験生のためにも名問や感動するような問題ばかりを作成してほしいとまで言うつもりはない。今現在の受験生のここまでの努力を難度のある問題でまっとうに評価してほしいと思う。差がつかないのは入試問題としてはよくない。

結果的には英語と数学で各高校での採点基準にもよるが平均得点が近づくということだ。英語の方が得点のばらつきが大きくなるだろう。英語の方は得点差がつくような作問になっている。

このような傾向が来年も続くとは限らない。受験生としてはどんな問題にも対応できるような実力をつけることが基本戦略になる。そして1教科でなく複数の教科で総合力勝負に持ち込めるようなガードも固めておきたい。

plus 「非進学校出身東大生が高校時代にしてたこと」をいただいて早速読んでが面白い本だった。
ヴォクの図書友にも非進学校在校生がいてその子も東大に進学した。その子の勉強法はかなり独特の独学式だった。負けず劣らずの独学方法が書かれている。今年の東大の国語第一問の冒頭文の反例としてもよい本だった。東京大学からのメッセージが書籍を通して入試問題を通してたしかに発信されている。
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