2018年03月01日

数学と英語の学校選択問題 (平成30年度、埼玉県公立高校入試)、それから共通問題5教科を解いてみた。

埼玉県公立高校入試数学の学校選択問題を解いてみた。予想通り18:30頃に公開された。ヴォクも周回遅れで解いてみた。


大問1(2)対称式の美しい問題 何度も解いただろう。

(3)かたまりは文字でおけ。定石。

(6)入試本番で+1できた人は落ち着きのあった人。

(7)確率がこんな小さな扱い。埼玉の確率は過去15年に倣い、易しい問題しか出題する気はないのだろう。東大理系でも今年は確率の問題がなかった。埼玉数学ではデータと確率と整数はながらく軽視されている。


大問2 (1)折り目とAA’は直交。

(2) ヒモの長さは展開図で直線。空間が1(8)とここだけというのはなんとも物足りない。

空間図形は今年の東大理系の6番の問題でもそうだが中学生のうちから十分に考えておく価値があると思うのだが、ここだけとは・・・。残念でならない。大問4でしっかり丸々出題した日比谷高校入試問題との難度差は小さくない。大問4 (2次関数)(1) 高校入試で難関校が出してはいけない問題。一発公式で10秒だから。(2)のヒントとは言え出題する必要はなかっただろう。でも(3)がすてきな相似の問題で全体としては美しく味わい深い良問題。平成30年の1題はこれに決定(バシッと良問印をおしながら)! 2つの三角形ができるがこの2つが相似であることを入試本番で考えると5分使ってしまうことになる。相似になるというテーマ自体は重要構図であり普段考えたことがあったか否かの差が出る問題となった。「すべての放物線は相似である(村上龍のエッセイの題字っぽく)」という数学的に美しい性質のことを考えたことがあったかなかったかを問う問題だったのだ。(興味のある人はご存知のように「高校への数学」(東京出版)、「大学への数学」(同)シリーズの中では「放」べきの定理と名付けられたものもある。)


大問5(図形) ついにきた大問での円。平成23年後期で19点分の円が出題されて以来、ずっと待っていたよ! えんえんと円の高地トレーニングは積んできた。証明は何が出るか限られていた中だった。昨年のきょうここで予想した問題がそのまま出題された。角の二等分線の定理。

来年は解と係数の関係を導出する問題ほか証明問題の候補は教科書範囲の中ではあまり多くない。去年書いたと思うのでここではカット。

(2)@は角度を書き込んでいたらすぐに発見できる二等辺三角形。「遠目に眺めて二等辺三角形はよく見ても二等辺三角形」の呪文通り。難度は上がらず前年並み。制限時間の中ではスタンダード問題揃いのこの難度でも満点をとる人が昨年多くなかったということだろう。幾何、図形問題と粘り強く格闘していた人は一定の結果を出してはいるだろう。


次に英語の選択問題へ。共通問題リスニングを解くのには12分と35秒かかる。そのため他はほぼ初読で内容をとっていくしかない。速読重視に去年からなっている。


大問2は長い対話文。虫喰いが多く情報処理能力を要するという意味ではいい問題かはわからない。しかし実用英語を筆記試験で作成した公平性の高さという意味では間違いなく良い問題だ。日比谷の独自問題を研究して作成されていると感じた。早大本庄の大問2番よりも虫喰い的で評価が分かれるところだろうか。ただ長いだけの対話文だが、来年度以降もこの出題方針は続くと思われる。埼玉県の過去15年なかった新傾向問題で今年の埼玉英語を特徴づける問題となった。正確な訳はいらない。内容を追跡するスキルが重視されている。


東大1(B)のように文脈に合う英文を入れる問題は今後も出題されるだろう。定番になったと見る。


大問4は前年を引き継ぐ自由英作文。去年から東大の英作文に似た。今年の東大でも40〜60字で自由に書く問題が出題されている。出題形式は同じである。テーマもAIで日比谷高校の今年の推薦入試の集団討論テーマとも被っていることからもその凡庸さがわかる通り)、誰もが興味のあるテーマ。普段から思っていることを素直にそのまま書けばよろしい。入試レベルの英作文で最も差が出るのは冠詞a,the,無冠詞,名詞複数形の使い方の部分。何を英文で書くときでも冠詞のルールには十分配慮しトレーニングしておきたいところ。対策の本は最後にまとめて書く。

英語の最後に2分10秒試験時間を長くできる話を。

もしも(あくまでもしもだが)リスニングが得意なら、放送問題の最後の問題の繰り返し2回目部分(1回目のquestion 3 Which answer is true?以降の部分)を聴かずにその2分10秒は他の問題を解くことができる。なにかの参考までに。


理科の大問2は良問題。金星と月と地球と太陽の位置関係をテーマとした定番の問題ながら設問がよく練られている。大問3の生物と合わせ今年は中3配当の割合が多めになった。1,2,3年の配分を均等にするのは難しく物理化学地学生物と4科目に3つの学年を分けるとどうしてもどこかが1つ多くなるという次第。この制限時間だと妥当である。重めの計算問題が地学天体でしか出題されず全体に知識と考察力を問うようなものになっている。近年計算問題が少ない傾向が続いているが出た数少ない計算問題(6点から10点程度)ではしっかり時間を使って解けるようにしておくべきであろう。以上。


(参考文献)
可算名詞と不可算名詞については、今井むつみ『ことばと思考』に詳しい。kindle版もありがたい。ことばと思考 (岩波新書)

英作文のポイントとなる冠詞については、次の本がよい。aとtheの底力 -- 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界

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