2017年03月02日

埼玉県 平成29年 2017年 公立高校入試 学校選択問題 解答

入試問題を解いた。出題内容は大きく変化し、良問がいっぱいあった。中でも数学の「2次方程式の解の公式」の証明問題(解の公式を導出)は非常によい問題であると感じた。高校数学をやっていた受験生にとっては平方完成ははじめの方に出てくる基本的な操作だが、ここを聞くということは今後もなぜを考える問題を出題するということの宣言となっている。
解の公式の導出はほとんどの本に掲載されているものだ。光の指定図書でもp.70に掲載されている。解の公式をまるで円の面積の公式と同じように無条件に暗記して使っていたのかそれとも、どうしてこんな公式ができたのかと「なぜ」を繰り返していたかの普段の差がここで出ただろう。実に鋭い問題である。ご丁寧に1つ前で平方完成のヒント問題まで付している。なんとも練られた良問ではないか。高校数学1Aでは放物線の頂点を求める計算でまったく同様の計算がいつも出てくるのでそこをやっていた人にとっては簡単だったかもしれない。

導出問題はまた出るだろう。たとえば円周角の定理の証明、中点連結定理の証明、扇型の面積公式の導出、(x-a)^2公式の図形的な証明、正20面体の頂点1つに集まっている面の数の説明なども今後出題されることがあるだろう。このような出題方針は来年度も続くといいな。

今年の数学は空間図形、整数問題など難度のある問題をきっちり出題した。何より無駄に易しい問題を省いていたのが最大の特徴となった。東京都に続いて空間図形は大問で出題された。過去10年を考えるとこのことは1つの出題方針演説である。折り紙図形数学問題の終焉。
来年度も円図形(今年は大問2の中の小問扱いだったが直角三角形をつくるこの頻出テーマは大問に昇格していてもおかしくなかった)、空間図形(大問2の中の小問の折り紙、埼玉折り紙がまさかの降格とは!)、整数問題の出題は十分に予想しておこうと思う。空間図形の中でも本年の大問のそれのような対称性に着目する美しい問題、立体の切断面を描いて考察する問題は今後の重点になるだろう。

英語は予想通り読解問題が少しだけ長くなった。ついに、英語長文読解問題と呼べるくらいの入試問題になった。来年度も続くとよろしい。
共通問題と共通問題(ん?)のリスニングは12分51秒と例年並み。スピードも例年並み。小問6番のスピーチのテーマとして先生が勧めたものは発音が特殊で聴き取りにくい人もいただろう。traditional (         )だったが、節分が何なのか考えたら想像で書けるかも。
共通問題大問4との共通問題となった選択問題英語大問2番は対話文読解問題で本文が用紙1枚からはみ出たという長文化宣言になっている。
用紙1枚に収まる英文だけを読むのでは長さが少し足りなくなる。少し長めの長文を読む練習をしておく必要が出てくる。高地トレーニングとして1枚半から2枚程度の対話文、1枚半程度の長文を読解する練習(たとえば今年の東京都の共通問題くらいのものを読み込むような練習)が理想的か。

出題形式が変わった英作文。
ここに書くのははじめてだが、ヴォクは英作文を5文でなく6文、7文書くように伝えてきた。10年間そう伝えてきた。共通問題の英作文問題が今年もそうであったように「5文以上の英文で書きなさい」が問題である限りヴォクの伝える書き方は変わらなかったろう(変わらなかっただろう)。
採点結果(開示点数)を聞き、それを続けてきた。

しかしながら今年の選択問題の英作文では50words以上書く場合はさらに続けてもう1行(about 55 words)までしか書いてはいけないという記述量の上限がついた。素晴らしい問題設定だと思う。解答用紙を見て驚いた。
たくさん書いて内容点を稼ぐという戦略はもう使えない。
これからはズバッと書けということなのか。これについては出題意図をもうしばらく寝かせて考えることになるだろう。いずれにせよ上限までしか書けないことに変わりはない。直球英作文。

国語の古文は注が少なかったが本文が易しかったからだろう。漢文を絡めて出題するという点は来年度以降も続くものと思われる。

いくつか特徴的な問題をピックアップする。 

数学大問4の関数。去年の千葉県前期との類題で動点を座標で置くだけの定番。ただし一発公式が使いにくいように少しだけ工夫されている。昨年までの美しい図形的な関数問題に比べると今年はひねりが感じられなかったのが残念。ウラウラは高校数学まではやっているので1/2bcsinθなどは演習時から使っている子が多かった。公式を持ち出すまでもなく1角共有2三角形の面積比がad:bcになるのは頻出構図だけれど。
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数学大問5の空間図形。(この図などを書いたシャーペンはチャクテビガ)
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社会地理の統計データは上位3県、上位3か国をとくにチェックする。

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化学の溶解度は溶媒たる水100gに溶ける質量であるから、そのまま、100g、10gの水に溶ける溶質の質量を考えればよい。勘で0.34とはふつう書けないから記述である必要性に疑問が残るが溶解度の定義を正確に述べられるかを問うたのだろう。この小問4点のうち内訳は2点、2点とするのかどうか採点基準を知りたい。

全体としては実力を測定しやすい適度な難度の数英、長くなってじっくり考察して書ける理科社会を含め科目のバランスもよくなり入試問題として良質なものになっていた。
うれしい改良だ。出題方針の公開が楽しみ。

国語作文のように過去10年となんら変わりばえのしなかった問題についてはノーコメントで了。

入試問題へのリンク

埼玉県立総合教育センターによる入試問題解説へのリンク→入試問題解説平成28年度表紙 国語 社会 数学 理科 英語(埼玉県立総合教育センターのHPより引用)

 


posted by 花波 ヒカリ at 22:21| 浦和、浦和一女、大宮 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする