2016年04月03日

チェックメン(4) Plus (lionさんの)真面目という才能 テスト範囲の10倍大事なシラバス(3)

学問には原理というものがある。原理とは、なぜそうなっているのかは誰もわからないけれどとにかくそうなっているというものである。

たとえば、ニュートンの「運動の法則」は原理であり他の何からも導くことはできない。

学問はこのように原理の上に成り立っている場合が多いので、原理に関してはどういうふうになっているのかを自分なりのイメージで理解しあとは覚えておくしかない。

実際問題として、原理を正しく覚えないと何も勉強がはじまらない。よって暗記するということは勉強のスタートに必要となる。

もうひとつ、勉強をする上で、定義というものがある。
定義は人間が物事や現象に名前をつけるときに決めた言葉の約束事なので、正しく、文字通りに覚えておく必要がある。

たとえば加速度という言葉は「速度の時間変化の割合のこと」を言う。加速度とは何のことを指すのかについても正しく理解し記憶しておく必要がある。数式で理解するもよし、具体例でイメージするもよし、方法はともあれ次の段階に進む前に加速度とは何かの答えが正しい仕方で記憶されていなければ運動学が何も進んでいかない。

このように原理と定義については覚えておかねば何もはじまらない。思考する前の問題である。それでヴォクは暗記のことを取り上げて書いている。

勉強がスムーズに進むことを妨げる要因として、3つ。
1、原理と定義と思考をごちゃごちゃにしている。たとえば何でも原理のように暗記しようとしたり逆にすべてを思考し導こうとする。うまくゆかない。

2、原理や定義を正しく捉えたくない、自分勝手に解釈したいということ。学問は文化遺産なので過去を無視すると未来へ進めない。これもうまくゆかない。

3、正しく捉えたいと思ってはいるがイメージできない。読んでも理解できない。この場合にはわからないはじめのところまで戻る必要がある。一般にどんな書物もどんな講義もあなたのわからないところに戻ることはしてくれない。あなたが自分でわからないところを見つけ出せるようにならなければならないのはこのためである。そうしないと前にも後にも進めなくなってしまう。

以上の3点はとたえセルフラーニングでも大きな障壁となる。

さて、これもまた暗記の上手い子に聞いた話。この子もまた今年の入試で東大の理系を受ける子だ。この受験生の勉強の妨げになるといけないのでこの子の話してくれるいろんな学習法について書くのは最後にしよう。

勉強法に関して、セルフラーニング三重◎が身についている子たちにもれなく聞いている。セルフラーニング三重◎」レベルになると、決めたことをするという「セルフラーニング二重◎」に加えて、あるいはそれとは独立した性質として自律能力(計画と実行)が必要となる。(逆にヴォクが教科を教えるという必要はなくなっている。)

セルフラーニングはこの三重◎というレベルにまできてはじめて自分の力で勉強のすべてが進められるようになる。この子は小学生のうちにそれを身につけた。そしていま教養が、知識が、ここにある。

勉強は病気の治癒と違って自分で自分を導くことができるのが大きな性質のひとつ。セルフラーニングの場合、ムリムラがあるとうまく進まず、沖で波に誘われ漂い漂流するモーターのないボートのように行ったり来たりになってしまう。

自律(計画と実行)の部分は勉強以外のところでも修行できる。多くの社会人はこの自律(社会人でplan do seeを知らない方はあまりいないでしょう)がしっかりしているが学生は失敗の経験が少ないので自律の部分が伴わないケースが多い。これが自学自習を困難にしがちな要因の最たるものである。

自律を伴ってはじめてセルフラーニングはうまくいくようになる。
セルフラーニング二重◎レベルの子に自律能力(計画と実行)が伴うとセルフラーニングが開花する。(とヴォクはそう考えている。それで教室で指導しているのは教科のことは5、自律のことが95くらいだ。自分のことを自分でしなさい、決めなさい、やりぬきなさいということを伝えるのがヴォクの教室での仕事のほぼすべてということだ。自分のできる範囲を広げるのはそのつもりとやり方の技術さえあればとても簡単なことになっていく。)

自律できると参考書と問題集と入試過去問だけで自学自習をコンコンと進められるようになる。休みのシーズンでも通常のシーズンでも、盆も正月も記念日も関係なく。

教室で誰に何回何時間どのように習うかがほぼ関係なくなる。なぜなら知識も解法も暗記の仕方もはじめから最後まですべて本に書いてあるので、わざわざ人に習うのを待つ必要もなければ自分に合う先生が運良く登場するのを待つ必要もない。逆に本でないといけないこともある。その理由があるので昔の人はみな本で勉強した。大学生なら本で勉強するのは当たり前。大学の先生は言うだろう、「授業に来なくてもいいから本は読みなさい」と。授業の種類にもよるが真実だと思う。

本に学ばないと何がいけないのか、それは、書物で学習しないとモレができる、穴が発生する。

自分の目で選んだ自分がいいと思った人が書いた本を好きなときに読んで、自分で決めたところまで好きなだけ進めばいいだけとなる。幸いなことに、日本は出版業界が栄えており良質な参考書が全教科全科目多数出版されている。昔の人はみな同じ本を読むしかなかったがいまはおまけに選ぶことさえできる。(逆にどれを選ぶかで小差大差は出る。)

そーだ、本題に戻ろう(箱を左から右に戻すポーズで)。




光 「でね、どうやって暗記しているのかな?」

子 「まず、重問を解きます。」

光 「え! 暗記する前にいきなり解くの?」

子 「はい。その後にわからなかったところを参考書で読むとよくわかります。」

光 「へー。先に問題を解いてから参考書を読むんだ。って、逆に?」

この学習法「いきなり重問」(勝手に命名 by 光)はすごくよいと思う。
「1に基本、2に基本、3、4がなくて5に過去問よかモンめいモン」(命名 花波光)や「森勉」(命名 ヴォク、もりつとむ氏でなくてもりべんね)とも通ずるところがある。
参考書を読む前になぜいきなり重要な問題集(業界用語で言うところの「重問」)を解くのか、考えてみた。
書いてみる。

勝手に解釈するに、重問を解くことでわからないことをわからなくても重要な諸問題点について自力で考えてみる必要が生じる。
この自分で考えてみてとにかく解こうとしてみるという段階で自分がどこをわかっていてどこをわかっていないのかの区別ができる。
どこを覚えていてどこを覚えていないのかがわかる。
その後に読むことで重要な点に関して他人事でなく自分のこととして自分の疑問として、問題意識をもって参考書を読むことになる。

さらに、結局どんなものができるようになればいいのか、ゴールを知る。
問題意識とゴールをもった上で、参考書を読むということはすなわち、OUTPUTを意識しながらINPUTを試みる仕方になる。

実際にヴォクもはじめて勉強する科目で試してみたが、問題だけを読み解いてたとえいささかも解けなくても問題点を問題として熟読し、その後に解答を見た後に、参考書を読んでみたところ、疑問が氷解するという感覚を味わいながら頭にすーと知識が染み込んできた。

気にならない人はあっそと読み流し、気になった人はわたしもと試してみて。独学の人が自分で真似してみるかと決めて、自分で自分をいざなって、「いきなり重問」をやってみる、それを想像してヴォクはこの記事を書いたのでそういうことを誰かがやってみて良い方向に物事が進むようならこれ幸い。もしそげんなったら、わいもおいもさいわいっちゅーこと。(わいとおいのどっちが2人称でしょうか?)

Plus lionさんのご記事は必ずすべて何回も拝読させていただいている。
勉強になると申せば失礼だが、実際勉強になるので。

この記事にも頷くことしきりだった。
エントリーの題も夜桜みたいに美しいなぁ。

(人称クイズに答えないまま了)。

シラバスの話。
試験範囲の用紙の10倍から約100倍重要なもの、それが学校のシラバス。渋幕のことを持ち出すまでもなく優れた指導には必ず優れたシラバスがある。

文京区から通っている女学生がシラバスを持ってきてくれた。シラバスさえあれば自分で順番や範囲を決めながらどんどん自習できる。
ヴォクが立てる指導計画もシラバスを念頭において調整できる。
学校の資料のうちこんなに便利な資料は他にない。
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カラー刷り印刷の上、わざわざ製本してお持ちくださった。フル活用しないともったいないお化けが出るに違いない。
了。



posted by 花波 ヒカリ at 05:55| 暗記のうまいチェックメン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする