2017年02月22日

トーヤさん plus 一軍卵型ペンのペンシース plus iPhoneのバッテリー交換を頼まれて

トーヤさんは母子家庭だったヴォクが祖母の家に居候しているのを知ってか、週に数回卵やおかずを持ってきてくれた。

余ってたからどうぞ、おでんが余ったからどうぞと。
トーヤさんの畑はたしかにでかかったが自然に余ってはみ出た分がヴォクの方になだれ込むなんていう熱力学第2法則みたいなことがあるわけもなく、それはたしかにトーヤさんのご厚意だった。

ヴォクはトーヤさんに感謝して自分のディープラーニングとセルフラーニングとテニスに打ち込んだ。

ヴォクの栄養の一部はトーヤさんが作ってくれている。
ヴィクはトーヤさんに感謝して自分のすべきことに打ち込んだ。

ある晩、街の遠くで花火があがるのをヴォクが家の前の道路に寝転んで蚊に刺されながら眺めていると、トーヤのばっちゃんがやってきた。
トーヤさんは言った。

今日の花火はきれいだったね。
あんたは勉強を頑張っているね。毎晩おそくまであんたの部屋の灯りがついているのを私は見ているよ。通るときに窓からあんたが椅子に座っているのが影でよく見えてるのよ。もっと打ち込んでがんばんなさい、と。

ヴォクはそれまで人に勉強のし過ぎで注意されることばかりだった。ほかの部員がテニスで推薦される道を選ぶ中、あの子は大学に行くと勉強を選んだらしい。勉強は隠れてやった。家族は外出時もノートと鉛筆なんかもって出かけるヴォクを変人呼ばわりしていた。そんなヴォクに対してもっと勉強しろという言葉をかけたのはトーヤさんが始めで最後だった。

トーヤさんも普段はそんなことは言わなかった。きっと花火の美しさに惑わされて帰り際に本音がぽろっと出たんだろうか。

打ち上がった花火がその晩のノートの前でも打ち上がった。残影は長く楽しめるもんだ。波の強い海に長くいた日に夜寝る布団の中でも波に身体が揺られるのに似てなかなかきれいな花火がノートの上にも映っていた。
目をチカチカさせながらその晩も勉強に打ち込んだ。

鉄のデスクはどんなに書きなぐっても微動だにしない。
頑丈なデスクの上で思う存分深いところまで書き込んで勉強した。

plus 塾生にiPhoneのバッテリー交換を頼まれた。以前はペンの修理を頼んできた子だ。勉強のことだったら参考書を紹介して自分でやってみてと言うところだがiPhoneは嫌いでないのでまあよろしい。人に頼みたくないんですよぉと言ってたが、この子はヴォクのことを何だと思っているのだろう。まー、どうでもいいけど。でも最後に言う。自分でやらないと絶対できるようにならん、と。失敗してからもってこい。

plus きょうのコアの木のペン。C300系の色々な芯を日替わりで入れて使っている。
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plus お気にの紙、オキナのプロジェクトペーパー。書きやすさナンバーワンでノートはこればかり。

ペンシースは1.9mm厚のなめし革で製作したもの。2本挿し、3本挿し、4本挿し、5本挿しとまとめて挿すのは2、3、4、5軍の木のペンで、ヴォクの一軍は、1本挿しに収納している。

ペンシースの中には卵型の銘木ペンが入っている。きょうの一軍ベンチ入りはオレンジの木ペルナンブコにマンダリンオレンジインクsigno、コアウッド紅白杢に赤インク307、屋久杉赤黒に黒インク307、ホワイトシカモアに青インク307、柘植に黄色インクサラサだった。木肌の色とインクの色は大体合わせている。

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ほなね。
posted by ヒカリ at 07:54| Comment(0) | たまぼく | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする